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2010年11月5日
職人気質を未来につなぐ!
趣味のひとつに、太平洋戦争の旧日本海軍の「零戦」や、その時代の航空機を訪ね歩く。「零戦」は、すでに退役して60余年を経過している。また敗戦国となった我が国の兵器が多く残されているわけもなく、すでに希少となったこれらの工業遺産物は、日本の生産技術がもっとも元気だった時代の証拠品であり、現在のホンダやスバルなど技術のルーツである。
【毎年観に行く河口湖飛行館の零戦21型。その美しさは世界屈指だ】
空冷エンジン特有のシリンダーフィンとヘッドフィン。身近な存在として多くのオートバイが採用しているエンジンだから、その形状はお解かりいただけると思う。しかし、ハーレーダビッドソンのエンジンでも1800ccが最大であり、そのエンジン冷却には技術面でも課題は少なくない。HD社でも水冷エンジンの開発は、将来に生き残るためには環境面からも必要であり、この問題は別の機会に説明したい。
【零戦52型の空冷エンジン・複列星型14気筒のシリンダーが迫力だ】
「零戦」の航続距離は約3000㌔。その当時のアメリカのグラマン社のF4F戦闘機や、ドイツのメッサーシュミット戦闘機の航続距離は500㌔~600㌔であり、燃費の面でもその当時から日本はダントツのトップであった。これらの工業遺産に、その当時の技術力やエピソードを観るたびに発見する。それもまた楽しみでならない。
農業自由貿易や工業品輸出の問題で揺れる現在の日本であるが、「ものつくり」おいて細やかな仕上げと品質の良さは、日本人がもつ職人気質であり誇りである。農産物だって「美味い米」ならお家芸だ。値段が少々高くても「品質と安全性」は、あの中国でも評価され「日本の米」の需要と人気はウナギ登りだという。現代に合った製品を「日本の職人気質」で造り、未来につないで行くべき時代だと思う!
*このブログでも紹介しました講談社刊「永遠の0」。“9.29のブログで知り買って読んだらとても感激、そして涙も”との喜びのお声をショールームでも頂戴しました。零戦を知る良書です。読書の秋、ぜひご一読ください。