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2009年11月22日
B級グルメ考Ⅰ・本場の味とは!
少年時代に食べた「博多ラーメン」の味は、50年の人生を重ねた今でも忘れない。九州・福岡県に生れ育った小生は、ラーメンとは「白いとんこつスープ」であり、それが常識。その頃は「博多ラーメン」なんて呼ばず、普通に「ラーメン」だった。
東京だからこそ地方名を頭に、札幌とか喜多方など「○○ラーメン」がそれだろう。しかし、今でも「博多ラーメン」の看板に足が向く。もうひとつは「長崎ちゃんぽん」だ。その多くの店は「本場の味」との看板を掲げるが、地元で食べる「味」とはまるで違うと云える。「九州本場から・・」との看板を掲げる某店での話し、カウンター越しに「九州かどこかで修行でもされてこちらへ?」との私の質問に、「いえ、九州は行ったことがないです。親方が九州らしいです。もう死んじゃっていないんですが」との返事に、出てきた「博多ラーメン」は案の定、幼い頃の「本場の味」も、のってる具も違った。
しかし、30余年の関東の暮らしの中で、探し当てた「本場の味」がある。川崎・多摩区の「長崎ちゃんぽん丸福」である。亀戸からはちょっと離れているが、ハーレーダビッドソンにのりランチ気分で行くには丁度いい距離だ。ついでにもう一軒「東京・町田のラーメン七面」だ。共に20年以上食べ続けているが「本場の味」と「旨い」が共通する店だ。コクのある麺つゆはここだけのもの。
七面のこのおすすめは野菜たっぷりの「もやしラーメン」。年配客の多さと、昼下がりに行くと、コックさんや寿司屋の板前さんが食べていることが、旨さを証明する。
そんな本場の味を探し求めて・・(でもないか)いつもはあまり通らない亀戸6丁目の細路地に開店した「博多ラーメン・たべよう屋」を発見、商売気のなく誘い込みの宣伝POPも営業案内もない店舗だが気になっていた。何度か昼間に行ったが休みで、夜だけのようで22時過ぎに入った。『博多ラーメン・500円』メニューは3品でシンプル。
さて味は?「これだ」久しぶりに食べたあの懐かしい『博多ラーメン・本場の味』に近い味わいを、亀戸で感じることができ嬉しくなった。営業が夜だけに当店からの帰りにどうぞ、と云うわけには行かないが、暫くするとお昼も営業するとか。「本場の味」とは?その本場の土地の水、作り手のキャリアなど、それらが融合して創られるものなのかもしれない。一度お試しあれ!
*惜しいことに、2010年10月「博多ラーメン・たべよう屋」が約1年で閉店してしまった。「スープが巧く出来ない日は開店しない」という店主だったが、脱サラして簡単に始められるラーメン屋とはいえ、厳しい独立開業と外食の世界での生き残りは難しかったようだ。何事も3年間で決まる。“石の上にも3年”とはマトを得た先人の教えだと思う。